この辞典について

序にかえて

親が子に向ける気持ちは、ときに違う言葉になって口から出てしまう。心配は小言として、祈りは叱責として、寂しさは沈黙として。本人に届く頃には、元の気持ちとは別のものに姿を変えている――そういうことが、家族のあいだでは日々起きています。

この辞典は、そうした「誤訳」を正しく訳し直すための道具ではありません。ただ、胸にあるモヤモヤに近い言葉を選ぶと、一枚のカードと、子どもからの手紙のようなメッセージ、短いコラムが開きます。それを読んだあとで、もう一度、自分の気持ちに名前をつけ直してみていただけたら、と思います。

30枚のカードは、順番に引いても、気になるキーワードから引いても構いません。どこから開いても、きっと、いまの自分に必要な頁が待っています。

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